こだわり
想い
その木について少しお話いたします。
平成10年、僕が27歳の頃です。地元の山に木を使用して家づくりをしたいと思いました。
尾鷲の山や宮川の山へ出向き、木こりの方々のお仕事を見学に行ってきました。
杉や桧を伐採し、その木が家に使われるという、ごく当たり前の事と思っていましたが、目の前で伐採風景を目にしたとき、僕の心の中で気持ちが一変したことに気づきました。
50年、100年と雨・風に耐えて生きてきた材木を伐採した瞬間、胸が締めつけられる思いでした。
とても神聖なものが人間の手によって、失われていく・・・
材木を大切に扱おうと思った瞬間です。
構造
大地震により金物や筋交いが引きちぎられたり、座屈をする場合があります。
大工の手により加工された木組を取り入れた伝統構法は、粘り強く強度を発揮します。
伝統構法とは構造を堅木の込み栓やシャチ栓・ハナ栓により継ぎ木や仕口を構成します。
伝統構法は一言ではご説明しきれませんので、お会いした時にでもお話させていただきます。
両構法とも国が認めた構造ですので、それぞれ良い点があります。
建主の方とお話しさせていただいて構造を決めていますので、お気軽にお聞きください。
手で刻む
しかし、工期短縮や利潤の追及、単価の抑制など世の中の流れもあり、機械によるプレカットの刻みが主流になりました。
確かに必要な部分もあると思いますが、木を扱う僕らにとって、あまりに木をないがしろにしすぎではないかと思います。
木の一本一本にはそれぞれ個性があります。
木の反りやムクリ、木目を見てどの部分の材料として使う事がふさわしいか適材適所に使用することが大事だと思います。
自分の手で刻んだ組木がピタッと組み合う瞬間も大工にとっての喜びです。
受け継がれた先人の技術を発揮することは家の耐久性を増すことになるのではないでしょうか?
デザイン
しかし美しくもありたいものです。
設計については自社設計はもちろんですが、設計士さんともお付き合いがあります。
施工例に掲載しております写真の中にも設計士「工房 道」さん・「阪竹男建築研究所」さんの物件もあります。
そして「木」を美しく見せるには製材屋さんもかかせません。原木を見てどのように製材したら木目が美しく、木の特性を活かせるのかを判断します。
日本の材木は高いと思われがちですが、節のある木は値打ちに入ります。